一杯の茶が、国境と世代を越える。

〜文化の日に広がる、新しい茶縁〜

茶の花が咲く季節に

いま、茶畑では茶の花が咲いています。
白い花びらに、あふれるような黄色い蕊。
茶の花は晩秋から初冬にかけて、葉陰でうつむくように咲きます。
新茶の季節のような華やかさはありません。けれど、茶の木が静かに次の命をつないでいる姿です。

文化も、きっと同じです。
目立たないところで、人から人へ、静かにつながっていく。

今日11月3日は文化の日です。
NPO中国茶文化協会の理事長として、皆さまと一緒に考えたいことがあります。

文化は、誰のものでしょうか。
専門家のものでしょうか。
長く学んだ人のもの、資格を持つ人のものでしょうか。
私は、一杯の茶を楽しむすべての人のものだと思っています。

「茶縁」という小さな奇跡

言葉が違っても、年齢が違っても、初対面でも。
一杯の茶を囲むうちに会話が生まれ、笑顔が生まれます。
私たちは、茶が結ぶこのご縁を「茶縁」と呼んできました。

日本、中国、台湾、香港。アジアの各地には、それぞれの茶の歴史と暮らしがあります。
茶葉も、製法も、淹れ方も違う。
けれど、一杯を大切にする心には、どこか通い合うものがあります。

違いを知ることは、相手を知る第一歩。
違いを楽しむことが、文化交流の始まりです。
当協会が、中国、台湾、香港をはじめアジアの国々との文化の相互理解を活動の柱にしているのは、そのためです。

半世紀を越えて届く一杯

茶は、国境だけでなく、世代も越えます。

来年1月の新年茶会では、50年を経た普洱茶が、東京の茶杯に注がれます。
半世紀前に誰かが作り、誰かが守り、誰かが運んだ茶です。
作った人は、この茶を飲む私たちの顔を知りません。
それでも、その人の仕事は、一杯のなかで今も生きています。

文化を受け継ぐとは、きっとこういうことなのだと思います。

父を見送って知った、「支え合い」のかたち

私事ですが、昨年、台湾で父を見送りました。
住み慣れた家で最期を迎えたいという願いは、家族だけではかなえられませんでした。
医療・介護の皆さまと多くの方の支えがあって、はじめて実現したことです。

一人ではできないことが、誰かの支えがあればできる。
NPOの活動も同じです。
教える人、学ぶ人、茶会を開く人、文章を書く人、写真を投稿する人、そして一杯を楽しむ人。
一人ひとりの小さな活動が重なって、大きな茶縁になります。

入口は広く、学びは深く

茶を学ぶのに、高価な茶器も珍しい茶葉も、最初は要りません。

「この香りは何だろう?」
「なぜ、この茶はこんな形をしているのだろう?」
そんな素朴な問いから、茶の世界は広がります。

当協会では、会員が参加無料で集うWEB茶話会、会報『茶縁』、茶縁ブログ、茶縁フォト日記を通じて、遠くに住む方も、忙しい方も、自宅から茶縁に加われる場を育ててきました。
もっと深く学びたい方には、中国茶アドバイザー(初級・中級・高級)、中国茶アドバイザー指導士、中国茶コーディネーターの認定制度があります。

一枚の写真、ひとことの感想、一杯の茶。
それが、誰かの学びの入口になるかもしれません。

茶文化を伝えるのは、理事長や講師だけではありません。
会員一人ひとりが、文化の担い手です。

2027年、学びの裾野をもう一段広く

来年、日本華泰茶荘が年間「台湾茶・中国茶インストラクター養成講座」を再開します。
当協会の中級認定講座を修了した方は、この講座の受講資格を得られます。

初めて中国茶に出会う人。
趣味として楽しむ人。
もっと深く学びたい人。
いつか教える側に立ちたい人。
それぞれが自分の歩幅で学び続けられることが、茶文化の厚みになります。

NPO協会が担う「入口」と、専門講座が担う「深さ」。
その両方がつながってこそ、茶縁は次の世代へ届きます。

文化の日に、私たちができること

今日、誰かに一杯の茶を淹れる。
茶の歴史を、ひとつ調べてみる。
友人を、茶会に誘ってみる。
文化は、そんな小さな行動から受け継がれていきます。
父から受け取ったものを、私から次の世代へ。
会員の皆さまから、さらに多くの茶友へ。

文化は、誰か一人が守るものではなく、皆で育てるもの。
今日の文化の日が、皆さまにとって新しい茶縁の始まりになりますように。
以茶会友。茶縁無限。薪火相伝。

2026年11月3日・文化の日
特定非営利活動法人 中国茶文化協会 理事長 林 聖泰


茶縁を深める、これからの学びと交流

① NPO中国茶文化協会で、茶縁の輪に

会員限定・参加無料のWEB茶話会、会報『茶縁』、茶縁ブログ、茶縁フォト日記で、全国の茶友と学び、交流しませんか。
茶の知識が豊富な方も、これから学び始める方も歓迎します。
▶ NPO中国茶文化協会 NEW公式サイト

② 当協会認定「中級中国茶アドバイザー」につながる2日間集中講座(主催:日本華泰茶荘)

36種以上の中国茶・台湾茶を飲み比べ、淹れ方と品質鑑定を学びます。初心者の方も歓迎です。

③ 2027年1月17日(日)日本華泰茶荘30周年記念
新年茶会『天地人韻 × 歳月風華』(主催:日本華泰茶荘)

台湾の品評会受賞茶と、15年から50年の老茶。
新茶と老茶を飲み比べ、国境も世代も越えて届く一杯を味わう茶会です。

④ 2027年 年間インストラクター養成講座の再開(主催:日本華泰茶荘)

新しいカリキュラムと、対面とオンライン学習を組み合わせた新プログラムを作成中です。
募集の詳細は、決まり次第ご案内します。

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